【すごい】「生徒派」塾長の草下先生の言葉

 

 

「学力」は「書く力(かくりょく)」!
学習塾生徒派 講師部学習デザイナー 草下 靖也

 

 勉強ができるようになるためにやるべきことは、実は単純で、参考書ルートだのコーネル式ノートだの、世の中には色々な方法論が溢れているけれど、「①たくさんの時間をつかって」「②明確な課題意識をもって」「③よく読み」「④よく書く」、これを継続すれば勉強は絶対にできるようになる。どれも言われてみると当たり前かもしれません。でも、僕から見ると殆どの子ができていないのです。これらは“勉強の姿勢”と言われるもので、どんなスポーツでも正しいフォームで練習しないと上達しない。これと同じ事です。だから僕はもちろん、生徒派では勉強の姿勢にあたる①~④について、授業を通して徹底的に身につけてもらえるよう指導しています。そのなかでも特に高校生を見ていて未熟だなと思うのが、「書く力」です。生徒派の教材は、とにかくたくさん書かせる問題が多く、他の塾や予備校に比べたら生徒たちが書く量は多いと思います。しかし、それでも勉強が苦手な子は書く量が少ない。書くことを面倒くさがる。
こんな話があります。僕は、つい最近今年の共通テストの数学や理科の問題を仕事の隙間時間に解いていました。勿論時間を計って解くのですが、解いている途中にも講師たちから質問が来たり、取引先から連絡が来たりして、その都度問題を解く手を止めて中断します。そしてまた問題に戻るのですが、例年の問題との違いをそこで認識します。これまでであれば、多少中断があってもすぐに問題の途中から再開してスムーズに解いていくのですが、今年は「あれ?何解いてたんだっけ?」「ん?U(x)って何だっけ?」「これは何の図だっけ?」などと、解くのを再開しようとするといちいち何をどう解いていたのか思い出せない。僕がボケたわけではない(たぶん)。「原因は何か?」を考えるとすぐに分かりました。今年の共通テストは昨年度にも増して、意味を考えて解く問題が多く、計算など途中プロセスを書いて考える問題が少なくなっていました。途中経過を書かずに頭の中で考える場面が多いので、中断した時に記憶が飛ぶのです。つまり、途中式などを書く必要のある問題が減っているために、記憶と印象に1問1問が刻まれない。だから記憶に残らず、中断するとすぐ忘れる。
これって、勉強が苦手な多くの子のなかで日常に起こっている現象なのです。書かないから、すべてにおいて刻まれない。記憶にも印象にも。だから理解も浅いし、記憶も浅い、すぐに忘れる。これが「書く習慣」が無い子のなかでずっと起こり続けていると考えると、そりゃあ結果出にくいよね、と我が身をもって改めて実感したのです。「書く」ことがいかに脳に記憶と理解、そして印象を深く刻んでくれるか。この効果は1回1回の学習では実感できないものだけど、それが1年、2年、3年と積み重なったらどうだろうか?とてつもなく取り返しのつかない状況を作り出してしまうのではないだろうか。僕のように学習のプロだからこそ、1回のテストで違和感に気付いたけれど、生徒たちは「書く」大切さをまだ知らないのではないだろうか。これからも「書く力」の凄さを教え続けます。だから僕から「途中式を書け」「頭の中で考えてることを兎に角なんでもいいから書いて」と頼まれたら、素直に書いてあげてください。1年後にはなりたい自分になれてるから。